銭選
- 銭選(せんせん)
- 『池塘蟾鳴図(ちとうせんめいず)』
- 1239~1301年(南宋・嘉熈3年~元・大徳5年)
紙本彩色水墨画 H:97.5 W:45.7 制作年不祥
- 作者・銭選の字は舜挙。号は玉覃、雪川翁、巽峰など。浙江省呉興の人。
南宋末に進士となるも元朝では官僚にならず、作詞作画で過ごした。
趙孟頫らとともに『呉興八俊』と呼ばれ、詩、書、画に通じた。 - 山水、人物、花鳥に長け、山水画は趙昌に師事。
李公麟の画法を用いた人物画は造型が奇古、線描の技法が健やかである。
人物画は当代随一の技巧を誇った。
- この作品は、伝統的な山水花鳥水墨画からは想像できない、
「蟾(せん)」と呼ばれた「ヒキガエル」を題材とした大変ユニークな彩色水墨画で、
銭選はもちろん、中国歴代の作家作品の中でも特異なものである。 - 頭上の樹枝に産み付けた卵がオタマジャクシに孵るまで、
寂として(頑として?)親蛙はその守りに徹している。
その面構えは威厳さえ感じられるようだ。 - 故事によると、蟾(ヒキガエル)は龍の鱗に着いた虫を食べると言われ、
さすが龍の化身として最高の権力者である皇帝といえども、
蟾のご厄介に成らざるを得ないことを皮肉った作品とも言え、
この詩意は、宋朝の水墨画の流れ中で育った銭選にしてみれば、
人生後半に迎えた元朝の異民族文化感は受け入れ難く、
「蟾」の姿をわが身に映しながら頑なに我が道を守り通そうとした、
宋朝文化を背負った作者にの気概を描いたものだろう。 - その証拠に、皇帝はじめ歴代著名人の夥しい数の跋と鑑蔵印を見れば、
「銭選やったり!」とやんやの喝采をしたことが良く解る。
- この作品に押印されている鑑蔵印の詳細な資料をご希望の方は、
≪中和堂中国美術館≫竹村までご連絡ください。
- 作者・銭選の字は舜挙。号は玉覃、雪川翁、巽峰など。浙江省呉興の人。
- 『池塘蟾鳴図(ちとうせんめいず)』
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