やきものと絵画の趣味の方は、中和堂コレクションをご覧になって、2千年の歴史を持つ、中国陶磁と書画の名品をご堪能ください。

磁器について

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中和堂コレクションから読み取る、中国磁器の話


古きをもって今を知る   ─中国の文化史を知れば日本が判る─

中国で発明された磁器と紙が文化の源

後漢時代(西暦25年〜220年)宮中長官の蔡倫(さいりん)が102年、紙に着色した書写材料に適した紙を完成させます。これが文字を書き込むという情報伝達手段としての紙、歴史上初めて「蔡侯紙(さいこうし)」といわれる紙が誕生したのです。*1
古代の中国では、文字情報を伝達したり保存するための材料として木竹簡、絹布などを使っていましたが、木竹簡は入手は簡単でもかさばって保存に適さず、絹布は高価で大量に使うことができませんでした。

紙を生地にした、水墨画及び書法という中国伝統の芸術的表現手法は、唐朝末から北宋朝(9から10世紀頃)にかけて完成された、「宣紙」と呼ばれた特別な紙の発達と共に発展した芸術で、共に墨や筆、硯などの文房具の発達を促しました。

一方、釉薬を掛けて高温焼成する磁器(瓷器)が発明されたのは紀元前16世紀ころの商代と言われていますが、実用に耐える成熟した原始磁器が完成されたのは後漢(西暦25年〜220年)の頃でした。
磁器は揚子江下流域でゆっくりと発達し、唐代には喫茶の流行とともに宮廷什器にも採用され、民間需要の増大と合わせて窯業の大発展を見ました。

宋代には官窯制度の確立に伴い、皇帝や士大夫たちの先導で美術品としての磁器が確立し、20世紀初頭の清朝滅亡まで歴代皇朝を支える重要な国策産品となりました。
特に両宋代の官窯青磁は世界中の愛好家垂涎の的であり、元代に始まる景徳鎮青花磁器は世界の磁器の総本家として未だ不動の地位にあります。

作家のいない芸術作品─それが中国陶磁─

これらの中国陶磁は何千年もの気が遠くなる程の歳月を掛けて育まれ、世界の歴史の中でも最大かつ最長の産業として君臨し、民を養い、時には国を興し、財貨の対象ともなりましたが、それ以上に、単に工業製品の生活雑器で終わらずに、現代の我々にも未だに深い感動を与え続ける美術品、芸術品にまで高めてしまったことです。

庶民の日常使う器皿から始まった中国陶磁は、時には皇帝の三種の神器ともなる宮廷調度品にまで昇格しましたが、「陶をもって政をみる」と良く言われるように、造られた時代の歴史を色濃く伝える、生き証人として不滅の価値を持つ文化遺産と言えるでしょう。

単なる土石を炎で焼くだけで、まったく違う物に変えてしまうこのマジックの様な陶磁器は、何百年間の何代にもわたり、まったく無名の工匠たちの手によって、連綿と途切れない経験と技術の蓄積の結晶で生まれた産物です。

その複雑な技術は現代の宇宙技術並とも言われ、中国陶磁は、それを実践した、地球上唯一の人類歴史の生き証人であります。



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